瞬時もやすまず
こわれつづけているのに
よくも
きょうまで
もてていたものだ。
こころの原型のようなものは
もうわからない
わかるのは
こころのあったあたりに
疼痛が残っているだけである
なんとかやわらげたいものだが
ともかく
夜が明けるから
もう
ねむってみようではないか
瞬時もやすまず
こわれつづけているのに
よくも
きょうまで
もてていたものだ。
こころの原型のようなものは
もうわからない
わかるのは
こころのあったあたりに
疼痛が残っているだけである
なんとかやわらげたいものだが
ともかく
夜が明けるから
もう
ねむってみようではないか
「生存」
『アルテリ』6号(石牟礼道子追悼号)
(一九七〇年)